2007年02月13日
パツンパツン革命7
辛山は、車の後部座席にいた。
秘書は助手席で情報収集に躍起になっている。
今向かっている市役所は、会議があっていたホテルから歩いて10分程であった。
辛山は、一刻も早く状況を知りたかったのだが、テロなのか只の火災かわからない状態で外を歩くのは危険との判断の為やむなく乗車したのであった。
だが、その状況が悪いという事はすぐわかった。
渋滞でなかなか進まない、公用車の横を若者達が携帯で話しながら城の方向へ走っていく姿がいくつもあった。
辛山は腹をくくっていた。
築城400周年のフィナーレの日に、こんな結末とは。
まだ自らの眼前に現れてない城はどんな姿になっているのか?
そんな事はもうどうでもよい事だった。
すべてを受け入れて、最善の指揮をとろう。
それが今、私のするべき事だ。
秘書が通話中の携帯を押さえ言った。
「市長。 もうすぐ見えます。」
辛山は運転席に乗り出すように見上げた。
長い一瞬だった。
辛山の頬に冷たい雫が一筋。
そのインパクトは言葉に現せられない。
熊本のシンボルが、燃えていた。
永遠にあると錯覚していた自分に気付く。
セピアとカラーが激しく混じり合う。
落ち着かせるように、辛山は静かにまぶたを閉じた。
つづく
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