2007年02月09日
パツンパツン革命4
久保川は、丁度取材が一段落した所だった。
大学を卒業して地元新聞社、『熊本日々新聞』に入社。
学生時代にはラグビーで汗を流した。その持ち前の根性と体力が、この不規則な仕事では役に立っていた。
7年目になる久保川は、毎週土曜の若者向けの記事を任されていた。
若者文化には、初め興味がなかったが取材で若者と接していく度に興味が増していった。
彼等は共通して、若さゆえの情熱なのか、情熱ゆえの若さなのか、何か熱いものが彼等の中には流れていた。
それを感じる度に、なにか清々しい気分になる。
それは、ラグビーでトライを決めた時のそれに似ていた。
今では、熊本の若者文化の一番の理解者になっていた。
久保川は、駐車場に停めていた自分の車に乗り込んだ。
瞬間、携帯が鳴った。
「あっ、久保川さん?お久しぶりです! 」
電話の主は、米山君だった。
彼は、下通りで歌ってるストリートミュージシャンである。
1年前に彼を取材してから、たまに連絡を取り合うようになっていた。
「お疲れ! どうしたの米山君 」
米山はちょっと早口に話し出した。
「今、街にいるんですけど、熊本城が燃えてるんっすよ、何かあったんすか?」
新聞記者の久保川なら、何か情報を知っていると思い電話をしているようだった。
久保川の何かが知らせていた。
「米山君 ありがとう! 今度、飯おごるね」
「あっ、久保川さ・・・」
彼の声の途中でボタンは押されていた。
久保川は、車を急発進させ現場へと向かった。
つづく
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